出会いがあれば別れもある、それは人に限ったことではなく餃子屋さんも同じです。
諸々の諸事情により長年親しまれてきたお店が閉店してしまうと悲しいですが、餃子の味はもちろん、お店の雰囲気や自分の状況を含めて、お店といろんな思い出がセットになるもの。
今回は惜しまれつつも閉店となってしまった神保町の「スヰートポーヅ」と田町にある「名前のない餃子屋」について振り返ります。
お店の扉に貼り紙がされて、閉店がわかった神保町屈指の人気店「スヰートポーヅ(すいーとぽーず)」。
閉店のお知らせ
長い間のご愛顧
誠にありがとうございました。
厚く御礼申し上げます
店主
新型コロナウイルス感染症の影響で休業していた矢先、2020年6月10日のことでした。
Twitterで拡散されてビックリした方も多いのではないでしょうか。
「古書店の街」として有名な神保町には、古き良き餃子屋さんも多く、そのなかでも1955年創業から70年の歴史を持つ行列ができるほどの人気店でした。
いつでも並ぶという噂があり、平日ランチタイムの終わる15分前に行きました。
スヰートポーヅの餃子といえば、棒餃子で端っこが閉じられていない特徴的な形。
いわゆる“鍋貼(グゥオティエ)”タイプですね。詳しくはコチラでまとめていますので合わせてどうぞ。
端が閉じられていなくても、餃子の旨みがこぼれ落ちることなく、お肉とショウガの味がギューっと凝縮。かなり甘口の醤油タレをつけて食べると、コクが出て味わい深くなったことを覚えています。
唯一無二の餃子を二度と食べられないと思うと、残念でなりません。
【閉店】スヰートポーヅ
住所:東京都千代田区神田神保町1-13-2
営業時間:11:00〜15:00 / 17:00〜20:00
定休日:日・月
餃子
2019年末をもって閉店となった「名前のない餃子屋」
数々の有名な企業があるビジネス街であり、慶應義塾大学もある港区の“田町”ですが、意外と安い居酒屋もそろっているエリアです。
居酒屋がたくさん並ぶ商店街のすみっこにあった、知る人ぞ知る餃子屋さん。店名が付いていない餃子屋でしたので、通称「名前のない餃子屋」と呼ばれて親しまれていました。
手書きの貼り紙に2019年末をもって閉店することが発表されました。
10年ほど前まではご主人と2人でラーメン屋を営んでいたそうですが、ご主人が亡くなってからは餃子屋さんに切り替えて、おかみさんが一人で切り盛りしていました。
カウンター6席と小さな店内には壁に貼ってある手書きのメニュー、そして野球中継を聴きながら餃子を待つ時間は心地よいものでした。
焼き餃子(450円)
焼き餃子はサクッと香ばしく、半分ぐらい占めているたっぷりのニラ。
どんなに噛んでも噛んでも口の中でまとわりつくニラの味と、肉団子のような弾力があるお肉からジュワッとはじけるあふれる肉汁が絡み合い、口の中がおいしいの大渋滞。
水餃子はニンニクが入っていないあっさりとした味付けなので、特製ニンニクだれがお肉の旨みとしっかりと馴染んで絶妙なバランス。
ご飯と豚汁の組み合わせである餃子定食(700円)は食べたいと思っていましたが、ついに叶えられませんでした。餃子屋さんで豚汁食べてみたかったな…と今さら後悔が募ります。
【閉店】名前のない餃子屋
住所:東京都港区芝5-25-2
営業時間:11:00〜14:00 / 17:30〜20:00
定休日:土日祝
まとめ
“いつか行きたい!また行きたい!”と言い続けていても、閉店してしまったら二度と行けなくなります。
縁起が悪いかもしれませんが、どのお店であっても閉店してしまう可能性が0ではないので、“行きたい”と思ったら、できるだけ早く行くのみ。
お店のおいしい餃子も当たり前ではないことを実感したできことでした。
閉店してしまったので、もう同じ味をお店で食べることができません。
これからも記憶の片隅に残るように、ずっとおいしい餃子を提供し続けてくれてありがとう、という感謝の気持ちを込めてココに書き留めます。