餃子エッセイ『読む餃子』は幻の餃子屋オーナーが書いたクスッと笑える一冊

餃子って食べるだけだと思っていませんか?

世の中には、食べものに関するエッセイがたくさんありますが、今回は餃子がメインのエッセイをご紹介します。

食べておいしさを味わうだけではなく、餃子は読みものとしてもおもしろいんです。

 

 

餃子って食べるんでしょ?読まないでしょ(笑)と思わず言ってしまいそうな、インパクトのあるタイトルです。

読む餃子
パラダイス山元 著
新潮文庫
2015年(平成27年)1月1日出版
239 P
490円(税別)

フライパンの章から始まり、小皿、醤油差し、ラー油と続きます。

タイトルにしか餃子がない!と思ったら大間違い。すべて餃子にまつわるエッセイなのです。

最初の話は“エア餃子”について。
餡や具材を一切入れずに皮だけで包んで焼いた、皮だけの餃子です。この発想はなかった!

他には、餃子とビール、東京の餃子で有名な蒲田、餃子といえば浮かぶアノ食材、餃子を焼く方法……いろんな角度から、餃子について繰り広げられていきます。

 

餃子

パラダイス山元 って何者?

1962年(昭和37年)札幌市生まれ。

SUBARUでカーデザイナーを勤めた後、ミュージシャンとしてメジャーデビューの経歴を持ちます。

現在さまざまな肩書きを持ち、幅広く活躍しています。(以下は一部です)

  • 会員制の餃子レストラン「蔓餃苑(まんぎょえん)」のオーナーシェフ
  • 日本人で唯一公式グリーンランド協会公認の、サンタクロース
  • マンボミュージシャン、「東京パノラママンボボーイズ」のメンバー
  • マン盆栽の家元(マン盆栽とは、盆栽の上や周辺に小さな人形を置くことで、ドラマ性を作り出すアート)
  • 『餃子のスゝメ』『餃子の王様最強レシピ』『飛行機の乗り方』をはじめ15冊以上を執筆した著者

簡単に一言で書くと、餃子の王様と呼ばれることもあり、ミュージシャンであり、サンタクロースです。

 

餃子

著者がオーナシェフである餃子の店「蔓餃苑」は幻!?

蔓餃苑は2001年(平成13年)にオープンして以来、約20年で開店したのはわずか数十日。

しかも会員制で毎回1組限定。
会員サイトで募集すると1分以内で決まってしまうことから、“幻の餃子レストラン”とも呼ばれています。

ロブスターやサザエなど贅沢な食材で作る、唯一無二の至極の餃子という噂。あぁ、一度でいいから食べてみたい・・!

お店は荻窪のどこかですが、会員以外は非公開となっています。

30年以上餃子を包んで焼き続けた著者のこだわりがいっぱい詰まっています。

 

そして、残念なことに現在は会員を募集していません。幻のお店へ踏み込み、贅沢な餃子にありつけるためには、著者と知り合いになるか会員さんと仲良くなるしかありません(笑)

 

餃子

特に共感したエッセイ2つ

40近くある話の中から、“わかるわかる!”と特に唸ったものを簡単にご紹介。

餃子を上手に焼きたい気持ちは、みんな同じ

皮が破けず、キレイな焼き目がついて、フライパンにもくっ付かない餃子が理想。
でも現実では、焦げちゃって、皮がボロボロに破れて中身がこぼれ出てしまう有り様……。

誰もが一度は通る道です。

私自身も数えきれないほど、餃子をボロボロにしてきました(笑)

残念ながら、IHと餃子の相性はすこぶる悪いです。いくらレシピを忠実に再現しても、私は90%以上失敗しました。

カセットコンロに変えただけで、あの苦労が嘘のように、焼き方がレベルアップしました。餃子を焼くならガス火。

本だけじゃないです。餃子を読むのは。

『読む餃子』は本だから読むんでしょ?と思う方、いると思います。ですが、普段から意識していなくても読んでいることあるんです。

冷凍餃子を焼くとき、最初に裏面に書かれている“作り方”を見ますよね?

これ見るだけじゃなくて、餃子を上手に焼こう!と意気込んで読んでいます。そう、読んでいるんです。

 

餃子

まとめ

本を普段読まない人も気負いせず、サラッと読めて、クスッと笑える楽しい一冊です。

幻の餃子レストラン「蔓餃苑」のヒミツも盛りだくさん!餃子の豆知識もたくさん散らばっているので、新しい発見があること間違いありません。

ぜひ、読んだら印象的な話や感想を教えてください。

 

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